3/11、防火管理者講習会→講習会会場が被災の憂鬱 [当たる]
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土地勘のない我孫子での防火管理者講習の受講。
遠くには手賀沼が見渡せる駅前の目新しいビルの上層階で行われていた。
昼ごはんには記念に最上階でパスタランチ。
きれいなビルに遠くの手賀沼を眺めながら。
最終日となる2日目、残り数時間となった午後の授業。
直前には地震(プレート)のこと、中央管理室が被害状況を確認することなど、
災害に関しての講義の最中だった。ビルがうねったのだ。
知らない土地の、知らないビルの、上層階で誰のブラックジョークか。
うねるビルの中で、天井の吊り下げライトが落下しないか気にした。
きれいだと思ってたビルの、近代的なガラス張り構造がいやに怖かった。
ガラスがねじれながらも割れずに保たれていたが、このガラスが抜け、
ビルが傾いた時にはコロコロと空中に放りだされるに違いない。
最中、携帯をいじくり震源地がどこか調べた。
小さな地震でもどこか遠くで大きな地震が起きてるんじゃないかと
ネガティブに考える癖が数年前の大阪にいた頃からの習慣。
身体は揺れで動かせないのに、指先だけは別の生物のように
滑らかに携帯を叩く。
激しく揺さぶられる机は講義中だったので狭い机に3人掛け。
赤の他人の3人掛けが3人掛けのまま、あまりにも前後に激しくスライドしたものだから
綺麗に並んでた列が馬鹿みたいにぐちゃぐちゃになっていった。
そして大人が数人で動かすような脇のグランドピアノまでスライドしていた。
ヤフートップページやプロバイダトップページ、ツイッターのフォロワーの書き込み、
まごまご当てなく探し回っていたものだから震源地情報は隣の男性が先に見つけ、
教えてくれた。
3人掛けの窮屈な机とイス、見知らぬ完全な他人が情報を共有する。
状況を共感している、不思議な空間。
震源地が東北と聞いて地震の規模を悟った。
何度も続く余震、ニュージーランドのビル倒壊が頭をよぎる人、
とにかく早く階下に下りたい人、家族に電話する人。苛々しながら途中離席した人。
冷静なようで気が動転しているのか、授業を続けようとする講師。
「外に火の手は見えてません」
「中央管理室がビルの被害状況を確認しています」
「なのであとすこしで終わるので授業を続けます」
けれど「火事だ!」大声で誰かが叫ぶ。みんなどよめく。
「お台場が燃えている」ここじゃないのか。みんな少し安堵する。
そんな不安感の中、数十分を経て、やっと普通じゃない余震の数に、
普通に講義を続けてられないと判断された。
講義が切り上げられ、非常階段から階下に降り、
それぞれがビルから離散していく。しつこく余震に襲われながら。
隣の人とは講義を切り上げたところで、電車も動かずどうにも身動きとれないだろう。
このビルの中のほうがむしろ安心なのかもしれない、そんな会話もあったけれど。
歩くしかないな。
もうこのときには決めていた。
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土地勘のない我孫子での防火管理者講習の受講。
遠くには手賀沼が見渡せる駅前の目新しいビルの上層階で行われていた。
昼ごはんには記念に最上階でパスタランチ。
きれいなビルに遠くの手賀沼を眺めながら。
最終日となる2日目、残り数時間となった午後の授業。
直前には地震(プレート)のこと、中央管理室が被害状況を確認することなど、
災害に関しての講義の最中だった。ビルがうねったのだ。
知らない土地の、知らないビルの、上層階で誰のブラックジョークか。
うねるビルの中で、天井の吊り下げライトが落下しないか気にした。
きれいだと思ってたビルの、近代的なガラス張り構造がいやに怖かった。
ガラスがねじれながらも割れずに保たれていたが、このガラスが抜け、
ビルが傾いた時にはコロコロと空中に放りだされるに違いない。
最中、携帯をいじくり震源地がどこか調べた。
小さな地震でもどこか遠くで大きな地震が起きてるんじゃないかと
ネガティブに考える癖が数年前の大阪にいた頃からの習慣。
身体は揺れで動かせないのに、指先だけは別の生物のように
滑らかに携帯を叩く。
激しく揺さぶられる机は講義中だったので狭い机に3人掛け。
赤の他人の3人掛けが3人掛けのまま、あまりにも前後に激しくスライドしたものだから
綺麗に並んでた列が馬鹿みたいにぐちゃぐちゃになっていった。
そして大人が数人で動かすような脇のグランドピアノまでスライドしていた。
ヤフートップページやプロバイダトップページ、ツイッターのフォロワーの書き込み、
まごまご当てなく探し回っていたものだから震源地情報は隣の男性が先に見つけ、
教えてくれた。
3人掛けの窮屈な机とイス、見知らぬ完全な他人が情報を共有する。
状況を共感している、不思議な空間。
震源地が東北と聞いて地震の規模を悟った。
何度も続く余震、ニュージーランドのビル倒壊が頭をよぎる人、
とにかく早く階下に下りたい人、家族に電話する人。苛々しながら途中離席した人。
冷静なようで気が動転しているのか、授業を続けようとする講師。
「外に火の手は見えてません」
「中央管理室がビルの被害状況を確認しています」
「なのであとすこしで終わるので授業を続けます」
けれど「火事だ!」大声で誰かが叫ぶ。みんなどよめく。
「お台場が燃えている」ここじゃないのか。みんな少し安堵する。
そんな不安感の中、数十分を経て、やっと普通じゃない余震の数に、
普通に講義を続けてられないと判断された。
講義が切り上げられ、非常階段から階下に降り、
それぞれがビルから離散していく。しつこく余震に襲われながら。
隣の人とは講義を切り上げたところで、電車も動かずどうにも身動きとれないだろう。
このビルの中のほうがむしろ安心なのかもしれない、そんな会話もあったけれど。
歩くしかないな。
もうこのときには決めていた。
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タグ:防火管理 我孫子 震災
危機を共有し、乗り越えた2人は硬い絆で結ばれるそうです。
僅かな時間ですが、3人も結ばれた?
続きが気になります(・_・*)
by むちゃ (2011-04-24 18:08)