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座間味島でホエールウォッチング、沖縄四日目 [遊ぶ]


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出発前に調べたホエールウォッチングは幾多とあった。
しかし沖縄本島発で離島へ上陸出来るツアーは数少なく、殆どは港からの直行直帰である。

それは、時間をかけて外洋まで出て、島がそこにあるのに、島にあがらずに帰る。

そういうことである。

そもそも鯨に出会えるのはどのツアーも慶良間諸島(ケラマ諸島)付近と記載されている。
慶良間諸島、つまり島々の付近まで出掛けることは明白なのである。

だから座間味島と慶留間島の2つの島へと上陸出来るオプションつきホエールウォッチングを選んだ。

深く考えずに選んだが、
座間味島、この座間味は世界で2番目に美しいと称されるさんご礁に囲まれた島。
古座間味ビーチは潜水人にとって憧れのビーチ。

そして慶留間島は米軍がはじめて上陸した日本領土。
珊瑚を刻んで作られた石垣に、弾痕が作った無数の傷が残る島。

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・・・まずは座間味島へ、本島からフェリー『クイーン座間味』で50分。

1日限りの1回限りのチャンスの中で、もし鯨に出会えなかったら・・・
当然の不安だ。しかも島上陸のオプションつきツアーだけに、
他社のように『鯨に出会えなかったら返金、再挑戦の権利も!』なんて条件は無い。

まさに一期一会。

そんな悲壮感の中、ラッキーパンチが起こる。
50分の移動時間の半分も過ぎた頃、船外の景色には無数の島が写る。
そして突然のアナウンスが流れ、乗船客が慌しく窓際に駆け寄る。

その刹那、意味を理解するよりも早く、窓際から眺めた海には数隻の小型船、
その狭間から鯨の潮吹き。

クルージング船に乗り換える前に鯨に出会えてしまったのだ。

その後も島へ着くまでに潮吹きらしき垂直にあがる水煙を目撃し、
必ず鯨に出会えるんだという勇気を与えた。

勇気と希望を胸に、着いた座間味の港、港の海面の透明度は既に
本島で見たそれと違った。そしてアクアブルー。

案内板を持った老獪な船長に誘導され、
簡単なレクチャーを聞いた後にすぐにクルーザーへと乗り換える。

すでに鯨発見の連絡と、その鯨が島のすぐ近くで回遊しているという情報が入っており、
鯨のいる地点まで差ほど時間をかけずに到達出来るという。

実は座間味発のクルージングの場合、本島発のクルージングに比べても
短時間で鯨の発見現場まで到達できるため、
船酔いしない、走行時間短縮分を丸々鯨ウォッチに時間を充てられるなどのメリットも
あるという。

しかも座間味はホエールウォッチングのメッカであり、高台にある監視小屋からの
鯨発見情報を利用し、よりスピーディーで確実に鯨に到達できるのである。

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上陸予定の慶留間島と他の島を結ぶ橋を越え、
鯨のいる海洋へと向かう船。鯨が意外と島のすぐ傍を泳いでいる事には驚く。

それは、このあたりの地形が遠浅になっておらず、
ビーチから数十メートル先には突如海溝が広がる、絶壁の海底が広がってるためのようだ。

海上からはそんな海底の様子はうかがい知れないものの、
確かにアクアブルーと濃いブルーがくっきりと分かれて広がってることが分かる。
もしかしたら濃いブルーの部分は海底が深くなっているのかもしれない。

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出会えた鯨は親子の鯨2頭。
警戒心が無く、派手なジャンプはしないものの、しっかり寄り添った母子が
海面へと背を出しては尾びれをしならせ海中へと戻っていく姿を何度も何度も
見せてくれた。

小さくてまだ弱々しい子供のブロウ(潮吹き)と、母鯨の虹を作り出す程の大きなブロウが、
背中から水面へとはみ出た鼻から噴き上げられる。

オスの挑戦的でダイナミックなブリーチ等の行動は見られなかったが、
愛情と温かさを感じさせてくれた鯨達に感謝。

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上陸した慶留間島、石垣は石にあらず、切り出された珊瑚である。
珊瑚は何億年もかけて数センチずつ大きくなってきた。

そんな珊瑚を見事な石垣にする家は、当時の有力者だったという話だ。

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石に埋まる巻貝が、確かに珊瑚だったのだと証明している。

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南国っぽい果実も豊富に生っている。

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座間味島内の古座間味ビーチには真っ白な珊瑚が打ち上げられていた。
そして見事な色彩の海。

DSC00277.JPG


日が蔭ると共に、この島との別れの時間も近づく。

素朴な人間の生活の中にじんわりと広がっている自然の美、
人々は深く刻まれたしわの奥に、不自然ではなく自然と調和の取れた情熱を蓄えていた。

ギラギラとせず、ただ自然と笑える人々を前に感じた事。

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