山の中、坂の上の岩の上にアンバランスな物体 [遊ぶ]
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バスで30分揺られた。刈り取られた田んぼと刈り取られる前の田んぼが
交互に目前を過ぎていく。
数分前に一旦通り過ぎたはずの三叉の道へと、バスは引き返した。
そしてその三叉の道、まだ通っていない左方面へと進路を変え進む。
知らぬ道へと吸い込まれていく体と意識。
すぐ近くに、異空間ポケットがあり、時空がゆがんで、
時間の流れもスロウになっていく。
バスの回数券の発券機が吐き出した券が、
もう一度機械に飲み込まれていく瞬間でさえ目で捉えられた、永遠に続く1秒間。
バスを降り、坂道をのぼる。苔むした壁、射す光。
光と闇の隙間を縫う葉は時計を止めた。
息を深く吐いてまた坂をのぼりはじめる。
坂の上に門が現れる。
息を呑んで先を見上げる。
巨木と老木が倒れながらも支えあい、
励ましあい、競い合って出来た自然の森を抜けた。
木々が絡み合って出来た光の塀を乗り越えて・・・
笠森観音。岩の上にそびえたつ木造建造物へとたどり着く。
大きなはすの葉。
突き抜ける空。
きしむ床を上っていく。
目前の岩肌と幾本もの柱の放つ木の香りがアンバランスになにかを刺激する。
森とも、山とも、木々とも形容し難い一体化した生命の
強烈なエネルギー。
神々しい。
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バスで30分揺られた。刈り取られた田んぼと刈り取られる前の田んぼが
交互に目前を過ぎていく。
数分前に一旦通り過ぎたはずの三叉の道へと、バスは引き返した。
そしてその三叉の道、まだ通っていない左方面へと進路を変え進む。
知らぬ道へと吸い込まれていく体と意識。
すぐ近くに、異空間ポケットがあり、時空がゆがんで、
時間の流れもスロウになっていく。
バスの回数券の発券機が吐き出した券が、
もう一度機械に飲み込まれていく瞬間でさえ目で捉えられた、永遠に続く1秒間。
バスを降り、坂道をのぼる。苔むした壁、射す光。
光と闇の隙間を縫う葉は時計を止めた。
息を深く吐いてまた坂をのぼりはじめる。
坂の上に門が現れる。
息を呑んで先を見上げる。
巨木と老木が倒れながらも支えあい、
励ましあい、競い合って出来た自然の森を抜けた。
木々が絡み合って出来た光の塀を乗り越えて・・・
笠森観音。岩の上にそびえたつ木造建造物へとたどり着く。
大きなはすの葉。
突き抜ける空。
きしむ床を上っていく。
目前の岩肌と幾本もの柱の放つ木の香りがアンバランスになにかを刺激する。
森とも、山とも、木々とも形容し難い一体化した生命の
強烈なエネルギー。
神々しい。
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